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小谷村

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鎌池  湯峠  大渚山  広河原  雨飾山  雨飾荘  


小谷に抱かれて

 私と小谷
 若い日に偶然訪れたこの地に魅せられ、通い続けた。S50年8月に登った妙高 火打山は、台風接近の為頂上目前の高谷池ヒュッテで引き返さざるを得なくなった。そのまま帰るのも惜しくて直江津・糸魚川経由で大糸線に入った。以前から小谷温泉が気になっていたという友人と二人旅。「ここに来たらお山に登らにゃ…」日暮れ間近に飛び込んだ宿で雨飾山登山を勧められた。翌日は台風一過の晴天、山頂からの360度パノラマが私たちを虜にした。直登が多く、ガレ場、雪渓…、標高のわりには厳しい登山だったが、そんなことは吹き飛んでしまった。それからの1年で4回通った。雪どけの池畔、ブナ林の芽吹き、むせ返るような草原、燃える秋に落ち葉の嵐…、四季それぞれの風情は絵にも言葉にも表せるようなものではなかった。そのうち家族も行くように、結婚したら夫も毎年つきあって(?)くれるようになった。飼い犬も行った。”ペットも泊まれる宿”なんて当時はめったになかったから、高床式の山荘の軒下のケージに入れて置いてもらった。最初に行ったのはグレートピレネーズのベル、荒菅沢の雪渓に腹ばって喜んだ。急峻な岩場はさすがに無理と観念し、山頂直下の草原に寝転んで日本海側からの風をうけて待っていた。鎌池に突然飛び込んでドボン、ドボン(大型犬は犬掻きも豪快)と気持ち良さそうに泳いだ事もあった。
 チャッピーと小谷
 しばらく間を置いて今度はチャッピーが行くようになった。1歳で我が家に来てから15歳の夏まで…、歳の数だけ小谷に行った。(16歳は5月に天国に行っちゃった。)チャッピーもまた小谷の自然が好きだった。人が一歩一歩耐えるような直登もへっちゃらで、前後を行ったり来たり何度も繰り返していた。ベルと同じように草原を抱き、雪渓に頬ずりした。大きな岩を必死によじ登り、刃先のような断崖を吹き飛ばされそうに走った。若く、しなやかな体の美しかったこと…。1975年以来、お世話になっている雨飾荘。犬連れになってからはいつも決まって一番奥の部屋(107号室)を予約した。軒下にケージが置きやすく、窓からチャッピーに声がかけられるから…。行き始めた頃は恨めしそうに窓を見上げていたが、そのうち「別荘」とでも思ったのか自分からさっさと入って行き、くつろいでいるふうだった。

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