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楽器修理室
自作ヴァイオリン 自作ヴィオラ
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パックリ開いて、しかも2mmほどずれている |
締めてみるが、歪みがあって2mmのズレが 戻らない |
33年前、Vnを始めるきっかけになった恩人のO氏の楽器である。フランスのオールドでとても柔らかい音がする楽器だったのを覚えている。歪みが出ていて、裏板のボタンの部位で剥がれている。「決して剥がしてはいけない」という裏板が剥がれたのである。裏板は膠を強めに貼り、表板は膠を薄めに貼る。というのが楽器を保護する上での常道。その裏板のしかも最も強く接着してあるはずの部位で剥がれている。たぶん修理を繰り返している内に、表板の方が強く接着されるはめになったのだろう。専門家の意見は、「棹を剥がし(裏板も剥がす)少し木を着け加えて歪みを修正する。」という大修理で、8万円という見積もりが出た。O氏としては、この楽器を「諦める」というのだ。この楽器を板きれにしようというのだ。私の大好きな楽器だったし、「どうせ板きれにする気なら、修理させてほしい」とお願いをした。それで預かったものの、裏板を剥がす際の破損や棹を剥がす際の破損のリスクを考えるとそう簡単に剥がすわけにいかない。そこで、少しクランプで締めながら長期戦で歪みを落ち着かせる作戦を取ることにした。さてその結果はどうか? O氏には私のフランスのオールドヴィオリンを貸し出した。じっくり行こう。 |
左の写真は縦にも締めてさらに、金具と棹をギターの弦でグルグル巻きにして締めてみた。半年様子を見ていたら冬場になって歪みが無くなりピッタリ戻った。作戦成功!あとは膠で接着するだけだ。完成間近! | ![]() 膠を塗っているところ ![]() クランプで締める |
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![]() 完成しました。良い音です |
![]() 上は魂柱測定器 下は魂柱立て 修理できて 良かった! |
![]() 魂柱を元の位置に立てているところ |