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チャッピー    幸せは谷戸をわたる風にのって
                         立木洋子 / 著


手術前            手術後 
 鼻が破裂?
  12月になると鼻枕?がないと寝ることもできないほどに膨れ上がった。少しでも楽になればと吸入を始める。この頃は2月の誕生日(10歳)までなんとか生かしてやりたい、その一心だった。新年を迎えたある日、大学病院で大手術を受ける。この時はまだ手術の順番待ちだったので、とりあえずMRIを撮るために向かった車中であまりにも大きくなった癌が破裂したのだ。人も犬も血だらけで病院に到着。たまたま専門のスタッフの予定が空き、その他の条件もそろったために即、手術ということになったのだ。大きな塊がきれいに取り除かれた。効き目がないと思われた制癌剤がバリアーを造ってくれていた…というようなことだったらしい。もし1日早く破裂していたらと思うとゾッとする。なんて運の強い犬なのだろうとつくづく思った。  
  
 室内犬は似合わない?
 細い鼻を取り戻したチャッピーは昼間は室内で留守番、時々庭に出してもらって外犬を楽しんでいた。膨らんだ鼻を見て心配してくださった近所の方々は、すっかり元にもどったチャッピーに驚いているようだった。けれども1年後、恐れていた再発が始まった。年明けの頃、梅干しくらいのものができては切りで3年間続いた。2種類できていた癌のおとなしいほうだけが生き残り、控えめに再発し続けたのだ。13歳になったとき、「あれ?今年は梅干しできないねぇ…。」すると、「もう大丈夫。」命の恩人である獣医さんに太鼓判を押される。それでも留守番は室内。チャッピーは不満だったかもしれないが、大事な鼻を鉤裂きでもしたら大変と思ったから……

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チャッピー
ー幸せは谷戸をわたる風にのってー

2004年10月10日 発行
著者・発行者/立木洋子

製作・印刷・製本 岡本出版株式会社

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