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幸せは谷戸をわたる風にのって
立木洋子 / 著
| かまってってば〜! 一日中留守番をしているチャッピーもほんの短い時間だけれど夜になると家の中に入れてもらえた。靴下をくわえて振り回したり、背中に飛びついたり、嬉しくて嬉しくて、もうどうしていいのかわからない。もともと甘ったれのところに一日中一人(一匹)でいた寂しさを取りもどすかのようにはしゃいでいた。あんまりしつこいので無視すると、前足で何度も「ネエネエ…。」わざと知らんぷりしていると最後は歯をむき出して荒っぽく襲い(?)かかって来た。「ネエ、かまってってば〜!」 |


| ばかにしないでよ〜♪ 突き出したげんこつのどっちにボールがある?鼻の効くチャッピーにはすぐ分かった。でも後ろ手で入れ替えられてパッと開いた手のひらになにもない。「残念でした〜!」などとイヤミッぽくいわれると、歯をむき出して本気で怒っていた。騙されたことが悔しくて悔しくて…。 開けてあげてよ! ある日の夕方、帰宅すると門が開かない。どうやら先に帰った夫が鍵をかけて寝ているらしい。チャイムをならしてもダメ。そしたら庭にいたチャッピーが来て騒ぎ出した。夫の寝ている居間の縁側と、玄関と、私のいる門の三角形を吠えながら何度も何度も走り回っている。縁側から中に向かって訴えるように目をむいて吠えている。「帰った来たよ、開けてあげてよ!」でも”ヒャウヒャウ”(ひそひそ声)だから聞こえないよね。「ありがとう、チャッピー!」と言ってフェンスをよじ登った。 さよちゃん大好き 散歩で出会うパグのリョウくんと仲良しになり、いっしょに原っぱを駆け回っていた。そのうち飼い主どうしも親しくなり、さよちゃんというかわいい女の子がわが家にやって来るようになった。ある日すきを見て家の中に入ってきたチャッピーは一目さんにさよちゃんのそばに駆け寄り甘えた。勉強していたさよちゃんがかまってくれなくなると、今度はガラスのテーブルに潜って下から笑いかけている。さよちゃんもそんなチャッピーにはお手上げだった。 チャッピーTOPへ 次のページへ |


| チャッピー ー幸せは谷戸をわたる風にのってー 2004年10月10日 発行 著者・発行者/立木洋子 製作・印刷・製本 岡本出版株式会社 |
