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登山ルート

30年前、雨飾山で人に出会う方が稀だった。近年、中高年の登山ブームと100名山ブームで登山者が急増した。駐車場に駐車スペースがなくなったり、山頂で順番待ちもあるという。その分、登山ルートは整備されたが、登りのきつさが緩和されたわけではない。1963mという標高から、軽く考える登山者が多いように感じられる。3000m級からみれば確かに高くはないが、直登が多く、雪渓から上にはガレ場も続くけっこうきつい山なのだ。午後の天候急変も考えて、日の出と共に昇るというのが鉄則だろう。広河原で散策しているとき、ツアーバスで来て10時過ぎに登り始める団体登山に出会うと、とても心配になる。切手収集のように登山をして、山を巡り無事なら良いのだが…この5月に行方不明者が出た。後日、沢から遺体が発見されたそうだ。先日もヘリが飛んだという。心臓が不調だったというが、糸魚川の病院で亡くなられたそうだ。この秋、登山口の駐車場で観光バスの運転手さんが心配そうな顔をしていた。聞けば「23人の団体が時間になっても降りて来ない」という。5:30に昇り、9時間たっている。普通は7時間程のコースだから確かに遅い。結局降りてきたのは4:30だった。11時間かかっている。日没が迫っていただけに、無事で良かった。何より、5:30に昇り始めていたのが正解だった。口々に言うのは「こんなにきついと思わなかった」と。今日も9:50頃、登山ツアーのバスが雨飾荘の前を走っていった。「またか!」と思う。…愛する雨飾山で遭難だけはやめてほしいのだ


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