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TWINS〜栄&亀 生涯展
2012年10月9日(火)〜14日(日) 10:30〜18:00

ギャラリー オオノ(元町 シルバー オオノ裏)

TWINS〜栄&亀 生涯展の様子が見られます

尊敬する双子の叔父が昨年から今年にかけて相次いで他界した。89歳と90歳だった。戦争の時代を生き抜き、シベリアという地獄のような体験も息子達には「楽しい所」と勘違いするような超プラス思考で語った。極寒の地で小さな少女の手を引いて歩く叔父の絵が有る。何でも収容所の所長の娘を幼稚園?に連れていく任務を負わされたとか。私は叔父の話を聞いて、驚きを隠せなかった。ロシア人の所長でさえもその人柄を信頼されて託されたのだ。1930年代初期にユニフォームを着て野球をやっていたり、戦時中に人々が食べ物に困窮していた頃に、ネクタイを締めてスキーに出かけたりする。経済的に豊かな家でもあったが、どんな境遇に置かれても心のゆとりは見習いたいと思ったものだ。二人とも絵が好きで、その作品は目をみはる。折れたバットで作った飛行機は絶品だ。晩年、折れた竹刀を削って作った耳かきはみんなに配られたが、今では大切な遺品になった。息子達が中心になって、その生きざまを写真に表現し、遺作展のようなものをやるという。その姉弟も孫も従姉もみんな協力をいとわない。いかに栄一&亀三郎のTWINSが皆に慕われていたかがよくわかる。多くの人にも一見の価値があると思う。
                   神奈川新聞2012年10月6日号に掲載されました



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